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887. 南スーダンPKOの自衛隊第1陣帰国ー2017.4.19 [政治―防衛、国際ーアフリカ]

(a) 日本語のニュース

アフリカの南スーダンのPKO=国連平和維持活動に派遣されている陸上自衛隊の撤収が始まり、19日、第1陣のおよそ70人が帰国しました。
これは、南スーダンに派遣されている陸上自衛隊の施設部隊およそ350人の一部で、5月末までに数回に分けて全員が帰国することになっています。
南スーダンのPKOの施設部隊の派遣は、2012年に始まり、この5年間に、およそ210キロメートルの道路補修や延べ50万平方メートルの用地造成などを行ってきました。
特に今回昨年11月から12月に派遣された350人は、施設整備のほか、安全保障関連法に基づいて、国連の関係者などが襲われた場合、救援に向かう「駆けつけ警護」や宿営地を守る「共同防護」の任務が初めて加えられましたが、実行されないまま撤収する可能性が高くなっています。
なお、国連南スーダン派遣団(UNMISS)司令部へ派遣されている要員4人は、引き続き残って任務をあたることになっています。

(b)ニュースの背景

国連南スーダン派遣団は、United Nations Mission in the Republic of South Sudan UNMISS で、南スーダン共和国に展開するPKO=国連平和維持活動の一つです。
2011年7月北部スーダンから分離独立した南スーダン共和国の平和維持活動を主な任務とし、司令部を首都ジュバに置いています。
およそ7000人からなる治安維持および施設整備部隊と警官およそ900人を加えたおよそ8000人規模で構成され、市民保護目的の武力行使が認められています。
南スーダンでは、日本のNGO(非政府組織)が、医療や教育・農業などで多く活動しています。独立したばかりの国であるため、国際支援は、政府の統治機能をつくることや農産物の生産性を挙げることからも重要になっています。

2016年7月大統領派と副大統領派の軍の間の内戦が激化し、首都ジュバで激しい戦闘が続き、その対応でUNMISS内部で大きな混乱が見られました。近くのホテルで襲撃された職員から救援要請があったにも関わらず、平和維持部隊は、持ち場を放棄して対応しなかったこと、また中国の部隊が任務を放棄したほか、ネパールの部隊は国連施設内部での略奪をとめられなかったことが指摘されています。これは、PKOが、南スーダン政府軍との交戦を避けたためだとみられています。
この結果を受け、国連事務総長は、ケニア出身の軍司令官、デンマーク出身のUNMISS事務総長特別代表を更迭するなどの措置をとりましたが、この処分にケニアが反発、UNMISSから部隊を撤退させる事態となりました。

(c)英語のニュース

The first batch of Japanese Ground Self-Defense Force personnel has returned to Japan from South Sudan after participating in a United Nations peacekeeping mission in the civil war-torn African nation.
The first group was made up of about 70 personnel, part of the 350-member unit which has been deployed mainly to build roads and other infrastructure in South Sudan’s capital Juba since late last year. The unit was also assigned with a duty of limited armed rescue operations under national security legislation that took effect last year.
The remaining personnel will return to Japan from South Sudan by the end of next month.

(d)ニュースの比較研究

南スーダンPKOの自衛隊第1陣帰国のニュースについては、日本のメディアは、いずれも報道していましたが、外国のメディアは、今のとろ報道していません。

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886. ペンス米大統領、日米経済対話などに出席ー2017.4.19 [政治―外交、防衛、経済―貿易、アメリカ]

(a) 日本語のニュース

麻生副総理兼財務相とアメリカのペンス副大統領は、18日、東京の首相官邸で、日米経済対話の初会合を開き、貿易・投資ルールなど3分野で具体的な成果を目指す方針で一致しました。
ペンス副大統領は、韓国を訪問した後、日本を訪れたもので、麻生副総理と初めての日米経済対話を行い、今後、貿易および投資のルールと課題に関する共通戦略、経済および構造政策分野での協力、インフラなど分野別協力の3本柱で議論を進めていくことで一致しました。そして、年内に第2回目の経済対話を行うことで一致しました。
会談後の共同記者会見で、麻生副総理は、「日米のリーダーシップで、貿易投資および投資の高い基準をつくって、アジア太平洋地域に自由で公正な貿易ルールを広げていく」と強調し、地域の貿易・投資づくりを日米が主導すべきだと訴えました。
しかし、ペンス副大統領は、「TPP=環太平洋機材連携協定は過去のものだ」と述べ、トランプ政権としては、2国間の貿易交渉に軸足を置く方針を改めて表明し、日米2国間のFTA=自由貿易協定交渉入りに意欲を示しました。

一方、アメリカのロス商務長官は、初めての日米経済対話に合わせて来日し、18日、世耕経済産業相と会談しました。
会談のあと、ロス長官は、記者団に「われわれとしては、協定の形をとることで、日本との貿易をさらに加速させたいと考えている」と述べて、日米2国間の貿易協定の締結に向けて意欲を示しました。
両氏は、6月にワシントンで再び会談することになっています。

このように、アメリカは、日米2国間のFTA交渉入りに意欲を示しており、多国間に貿易ルールを広げたい日本との意見の隔たりをどのように埋めていくかが今後の焦点になっています。

これより先、ペンス副大統領は、18日、韓国から日本に到着してすぐ首相官邸を訪れ、安倍首相と会談しました。
両氏は、北朝鮮が新たな段階の脅威になっているとの認識で一致したうえで、北朝鮮に影響力のある中国の役割が重要だとして、働きかけを強めていくことを確認しました。

ペンス副大統領は、19日、神奈川県のアメリカ海軍横須賀基地を訪れ、母港として配備されている原子力空母「ロナルド・レーガン」で演説し、「北朝鮮は、最も危険で差し迫った脅威だ。アメリカは、いかなる攻撃に対しても、圧倒的で効果的な反撃を行う」と述べました。また、「日米同盟は、アジア太平洋地域の平和と繁栄、自由の礎であり、トランプ大統領のもとでも同盟国への関与はゆるぎないものだ」と強調しました。

(b) ニュースの背景

マイク・ペンス(Mike Pence)
1959年インディアナ州コロンバス生まれ。インディアナ大学法科大学院終了。2001~2013年下院議員。2012年大統領選挙で保守派運動「ティーパーティー」支持者から出馬を要請されましたが、見送りました。2013年インディアナ州知事。2016年トランプ大統領候補の副大統領候補として共和党の指名を受けました。2017年1月副大統領に就任。

日米貿易・経済関係の歴史
・1950年代~1970年代後半―日本の対米輸出急増に伴う貿易摩擦(繊維、鉄鋼、カラーテレビなど)
・1970年代後半~1980年代半ばー米が輸出拡大のため、参入障壁の除去を要求(牛肉、オレンジ、建設市場など)
・1989年(ブッシュ父政権)~-構造問題の解決に関する双方向の協議へ
・2001年(ブッシュ政権)~―持続的な成長に向けた協議
・2017年(トランプ政権)~―経済政策、インフラ等での協力、貿易・投資ルールの3点を中心に協議する「日米経済対話」を創設

日米経済対話
2017年2月の安倍首相とトランプ大統領の日米首脳会談で設置することで合意した日米の経済協力を話し合う枠組みのことです。①貿易・投資ルール②経済政策③インフラ投資・エネルギーの3分野を柱に、麻生副総理とペンス副大統領が対話のトップをつとめています。アメリカ政府側の人事が遅れ陣容が整っていないため、具体的な内容は、年内に開催する予定の第2回対話に持ち越されました。

(c) 英語のニュース

Japan and the United States have agreed to promote their economic dialogue in 3 areas, including common strategies in trade and investment rules.
The agreement was reached at the first round of the Japan-US economic dialogue between Japanese Deputy Prime Minister Taro Aso and U.S. Vice President Mike Pence in Tokyo on Tuesday.
The two ministers agreed to hold the second round of the dialogue by the end of this year.
At a joint news conference held after Tuesday’s meeting, Mr. Aso said that he hopes Japan and the United States will take the lead in bolstering economies in the Asia-Pacific region and the world by developing Japan-US economic ties.,
However, Mr. Pence said that it is possible that the Japan-US dialogue will lead to a free trade agreement between the two countries, emphasizing that President Donald Trump is aiming to promote bilateral trade talks,

Meanwhile, U.S. Commerce Secretary Wilbur Ross met Japanese Economy, Trade and Industry Minister Hiroshige Seko in Tokyo on Tuesday. After the meeting, Mr. Ross told reporters that the United States is eager to conclude a bilateral trade agreement with Japan.

Earlier on Tuesday, Japanese Prime Minister Shinzo Abe had talks with U.S. Vice President Pence.
The two leaders affirmed that the threat from North Korea has reached a new level and it is crucial to regional peace and stability for Japan and the United States to strengthen their bilateral alliance.
They agreed to urge China to play a greater role in preventing further provocation by North Korea.

On Wednesday, U.S. Vice President Pence made a speech before U.S. troops and Japanese Self Defense Forces personnel aboard the nuclear-powered aircraft carrier USS Ronald Reagan at the U.S. Yokosuka naval base south of Tokyo.
Mr. Pence said that North Korea is the most dangerous and urgent threat to the peace and security of the Asia-Pacific Ocean.
He said that all options are on the table and that the United States will defeat any attack and deal with any use of conventional or nuclear weapons with an overwhelming and effective response.

(d) ニュースの比較研究

アメリカのペンス副大統領の日本訪問のニュースにつぃては、日本のメディアは、連日トップニュースで伝えていましたが、外国のメディアは、あまり報道していませんでした。
アメリカの代表的なメディアの報道について紹介しましょう。

『AP(=The Associated Press)』通信は、”US VP Pence assures Japan: America is with you ‘100 percent’”(アメリカのペンス副大統領、日本に確約:アメリカは、100%日本と共にいる)という見出しで、”From two continents, top Trump administration officials warned Tuesday that North Korea’s latest failed missile launch was a reckless act of provocation and assured allies in Asia that the United States was ready to work to achieve a peaceful denuclearization of the Korean Peninsula. While Defense Secretary Jim Mattis denounced North Korea’s weapons test as he began a Mideast tour, Vice President Mike Pence offered support to Japanese Prime Minister Shinzo Abe in Tokyo amid a trip dominated by concerns about the rogue state’s nuclear intentions”(2つの大陸から、トランプ政権の高官が、北朝鮮の最近の失敗したミサイル発射は、無謀な挑発行為だと警告し、アジアの同盟国にアメリカは、朝鮮半島の平和的な非核化を達成するよう努力する用意があると約束した。マチス国防長官は、中東訪問を始めた時、北朝鮮の兵器テストを非難し、一方ペンス副大統領は、その無法者国家(北朝鮮)の核兵器の意図をめぐる懸念が広まっていたアジア訪問で、日本の安倍首相に支援を表明した)と報じました。

『Stars and Stripes』米軍紙は、”Vice President Pence visits Japan”(ペンス副大統領、日本訪問)という見出しで、”Vice President Mike Pence waves to media before entering his limousine on the flight line at Naval Air Facility Atsugi, Japan. The stop marked Pence’s first official visit to Japan as Vice President. During his trip, the Vice President will emphasize President Trump’s continued commitment to U.S. alliances and partnership in the Asia-Pacific region, highlights the Administration’s economic agenda, and
underscore America’s support for our troops at. home and abroad.”
(ペンス副大統領は、日本の厚木にある海軍の空港に到着し、リムジンに乗り込む前に報道陣に手を振った。今回の訪問は、副大統領としては、初めての日本公式訪問である。ペンス氏は、日本滞在中、トランプ大統領のアジア太平洋地域におけるアメリカの同盟国に対する約束を継続することを言明するとともに、トランプ政権の経済の課題を中心に話し合い、アメリカ軍の支持についても強調する予定だ)と報じました。

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885. メイ英首相、6月8日に総選挙実施の意向ー2017.4.19 [国際ーヨーロッパ]

(a) 日本語のニュース

イギリスのメイ首相は、18日、イギリスのEU=欧州連合からの離脱をめぐる交渉を争点に、総選挙を6月8日に実施する意向を表明しました。
メイ首相は、ロンドンの首相官邸前で緊急の声明を発表し、2020年に予定されていた下院の総選挙を前倒しして6月8日に実施する考えを明らかにしました。
その理由について、メイ首相は、みずからが示したEU離脱交渉の方針に野党が否定的な対応をとっていると批判したうえで、EUとの2年間の交渉期間を念頭に、「もし今総選挙を実施しなければ、野党の政治ゲームが続き、交渉が最も難しい段階に次の総選挙を準備することになる」と説明しました。
メイ首相が党首をつとめる与党の保守党は、下院の定数650議席のうち、過半数をわずかに上回る330議席ですが、最新の世論調査では、保守党の支持率が44%に対し、労働党が23%となっており、メイ首相としては、高い支持率を背景に総選挙で勝利した上で、難航が予想されるEUとの交渉に臨みたい意向だとみられています。

(b)ニュースの背景

イギリスのEU離脱をめぐる動き

・2016.6.23-イギリスでEU離脱の是非を問う国民投票実施。離脱支持51.9%、残留支持48.1%で、離脱派勝利。
・2016.6.24-EU残留を主張していたキャメロン首相、辞任表明
・2016.7.13-メイ氏が首相に就任
・2017.1.17-メイ首相、演説で、移民規制を優先し、EU単一市場から完全に撤退する「強硬離脱(hard Brexit)」の意向を表明
・2017.3.29-イギリス、EUに離脱を正式に通知
・2017.4.18-メイ首相、6月8日に総選挙を実施する意向を表明

・2017.4.29-イギリスを除くEU27か国が首脳会議、交渉方針を採択
・2017.6.8-イギリスで総選挙
・2018.10-EUが離脱交渉の実質合意をめざす期限
・2019.3-イギリス、EUから正式離脱

(c) 英語のニュース

British Prime Minister Theresa May has announced a plan to call a snap general election on June 8th to seek public support for her policy on the country’s exit from the European Union.
She made the announcement in London on Tuesday. The election for the 650-seat Lower House had been initially scheduled for 2020.
Mrs. May said that she needs to strengthen her hand in Brexit talks with the European Union by bolstering support for her Brexit plan.
She said that it is necessary to try to stop the opposition jeopardizing her work on Brexit.
It is believed that Mrs. May is seeking to carry out future Brexit talks with the EU in favorable conditions with the backing of the public to be gained in the general election, as the latest opinion polls show that her Conservative Party is far ahead of the main opposition Labor Party.
At present, the Conservative Party holds 330 seats, and the Labor Party has 229 seats in the 650 seats of the Lower House.

(d) ニュースの比較研究

イギリスのメイ首相が緊急の記者会見で、イギリスのEU=欧州連合からの離脱交渉をめぐって6月8日に総選挙を実施したい意向を表明したニュースについては、世界の多くのメディアは、一斉に報道しました。
イギリスの代表的なメディアの報道を紹介しましょう。

『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Theresa May to seek general election on 8 June”(メイ首相、6月8日に総選挙を実施の意向)という見出しで、”UK Prime Minister Theresa May has announced plans to call a snap general election on 8 June. She said Britain needed certainty, stability and strong leadership following the EU referendum. Explaining the decision, Mrs May said “The country is coming together but Westminster is not””(イギリスのメイ首相は、6月8日に急な総選挙を実施したい意向を発表した。メイ氏は、イギリスは、EU離脱の是非を問う国民投票の後で、確実性、安定性、強いリーダーシップを必要としていると述べた。その決定を説明して、「国は一緒になっているが、議会は、そうなっていない」と述べた)と報じました。

『The Guardian』紙は、”Theresa May calls for UK general election on 8 June”
(メイ首相、6月8日にイギリスの総選挙実施の意向)という見出しで、”Theresa May has said she wants to hold a snap general election on 8 June, despite repeatedly claiming that she was against the idea of an early vote. In a surprise statement outside Downing Street on Tuesday morning, the prime minister claimed that opposition parties were jeopardizing her government’s preparations for Brexit”(メイ首相は、これまで繰り返し、早期総選挙実施に反対してきたが、6月8日に総選挙実施の意向を表明した。ダウニング街での突然の声明で、メイ首相は、野党が政府のイギリスのEU離脱準備を危険にさらしていると主張した)と報じました。

『The Financial Times』紙は、”Theresa May calls snap election in bid to strengthen hand in Brexit talks”(メイ首相、イギリスのEU離脱交渉における立場を強化するため、急な総選挙を呼び掛ける)という見出しで、”Theresa May dramatically seized the initiative on Brexit on Tuesday by calling a snap general election on June 8, as she sought a direct mandate for her plan to deliver a smooth British exit from the EU”(メイ首相は、イギリスのEU離脱で, 6月8日に急な総選挙を呼び掛けることによって、劇的に主導権を握った。イギリスのEU離脱を円滑にするための計画に直接的な委任を求めたのだ)と報じました。


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884. トルコで国民投票、大統領の権限強化の憲法改正案承認ー2017.4.18 [国際ー中東]


(a) 日本語のニュース

トルコで16日大統領の権限を大幅に強化する憲法改正案についての国民投票が行われ、選挙管理委員会は、賛成が過半数を占めたと発表、エルドアン大統領は勝利を宣言しました。
憲法改正によって、これまでの議院内閣制から大統領制に移行し、首相職は廃止され、大統領が閣僚の任命や非常事態令の発令の権限のほか司法にも影響力を持ち、絶大な権力を握ることになります。
トルコのアナトリア通信によりますと、開票率100%で、賛成票が51.41%、反対票が48.59%となっています。
エルドアン大統領は、「国民の力で、トルコの歴史上最も重要な憲法改正を成し遂げた」と勝利宣言をしました。
これに対し、憲法改正に反対してきた野党は、選挙管理委員会が無効票を有効とする違法な決定をしたなどとして票の数えなおしを要求しています。
また、野党側は、今後、エルドアン大統領の強権的な姿勢が一段と強まることを警戒しています。
エルドアン大統領の今後の出方次第では、人権問題などに敏感なヨーロッパ諸国との関係にも影響が出てきそうですし、難民問題や過激派組織「IS=イスラム国」への対応をめぐっても影響が出てくる可能性もあるとみられています。

(b) ニュースの背景

エルドアン(レジェプ・タイップ Recep Tayyip ERDOGAN)は、1954年イスタンプール生まれ、マルマラ大学経済商学部卒。1969~1980年プロサッカー選手。1985年福祉党イスタンブール総支部長、1994年イスタンブール市長に当選、2001年親イスラム政党・公正発展党(AKP)を結成し、初代党首に就任。2002年の総選挙で大勝して政権につくと、高い経済成長率を実現し、低所得者層向けの福祉政策やインフラ整備の充実を図り、国民の支持をつかみました。
2014年エルドアン首相、初の直接選挙による大統領選挙への立候補を表明。エルドアン氏が、過半数票を獲得して当選し、大統領に就任。任期は5年。
2015年の総選挙で、公正発展党(AKP)は第1党を守ったものの、2002年の単独政権発足以降初めて半数を割り込みました。しかし、再選挙ではAKPが圧勝しました。
2016年7月軍の一部がエルドアン政権の転覆を狙い軍事行動を起こしましたが、政権側がこれを鎮圧しました。反乱勢力は、政権側や治安部隊の呼びかけで街頭に出た市民らと衝突し、軍内部や国民に支持は広がりませんでした。事件の死者はおよそ240人、負傷者はおよそ2200人に上りました。エルドアン政権は、敵対するアメリカ在住のイスラム指導者ギュレン師が黒幕と主張、しかしギュレン師は関与を否定しました。当局は、ギュレン師との関わりを理由に軍や警察、司法関係者など7万人以上を拘束、10万人を免職や停職処分とするなど大規模粛清を進めました。
2016年12月、AKPは、儀礼的な地位と位置づけられてきた大統領に実権を集中させる憲法改正案を国会に提出しました。国会は、2017年1月改正案を可決し、国民投票の実施が決定しました。改正案は、首相府を廃止し、行政の長となる大統領が政令を出せるほか、閣僚らの任命権や非常事態発令権を持つような内容でした。これによって、エルドアン大統領は、強大な権力を持てる可能性がでてきたのです。
トルコは、ヨーロッパとアジアにまたがり、アラブ世界にも接する位置にあり、国際社会に影響を与えます。
トルコは、EU=欧州連合と長い間、加盟交渉を続けてきましたが、国内の人権問題などで妥結のめどはたっていません。エルドアン氏は、トルコが交渉で加盟条件となっている死刑廃止を決めたのに交渉がうまくいかないので、それを復活することを示唆し、EUとの対決姿勢を国民に印象付けています。
さらに、昨年、ヨーロッパに流入したシリアなどの難民・移民をトルコに送還することでトルコとEUは合意し、トルコにはシリア難民が300万人もいますが、トルコには、EU側は押し付けるだけ押し付けて代償を払わないという不満があります。
さらに、アメリカとの関係では、トルコが、昨年のクーデター未遂事件で首謀者とみているギュレン師の引き渡し問題があり、さらに過激派組織IS=イスラム国掃討作戦で、トルコがテロ組織と指定している少数民族クルド人の武装組織とアメリカ軍が共闘している問題もあります。
いずれにせよ、トルコの国際関係では、難民問題、テロとの戦いのほか、欧米が主張する人権問題、言論・表現の自由など民主主義の基本的価値観の問題があり、今後のトルコの出方によってはかなりこじれる可能性があるものとみられます。

(c) 英語のニュース

In Turkey’s referendum, voters have approved by a small margin constitutional amendments giving sweeping powers to the president.
State media report that with all votes counted, 51.41% approved the constitutional amendments and 48.59% opposed.
Turkish President Recep Tayyip Erdogan claimed victory, while opposition parties charged that the result is invalid, citing irregularities.
The constitutional amendments call for replacing a parliamentary system with an executive presidency giving sweeping power to the president.
Under the new system, the post of prime minister will be abolished and the president will be able to appoint cabinet ministers and issue emergency decrees and also wield influence over the judiciary system.
Political observers say that the constitutional amendments may lead to an Erdogan dictatorship and endanger democracy and affect Turkey’s relations with EU member nations as well as the United States.

(d) ニュースの比較研究

トルコで大統領に強大な権限を与える憲法改正案がごくわずかな差で承認されたニュースについては、世界のメディアは、いずれも詳しく伝えました。
代表的なメディアの報道を紹介しましょう。

トルコの『Turkish Daily News』紙は、”Parliament needs to adjust scores of laws to new charter in next 6 months”(議会は、何十という法律をこれから6か月で新しい憲法の条項に合わせる必要がある)という見出しで、”The system change approved on April 16 by a narrow majority of the electorate voting in favor of changing the constitution is set to be in effect after 2019, as the parliament readies to enter an intense period in the next six months in order to harmonize the existing legislation with new constitution.”憲法改正のため国民投票でごくわずかな差で承認された制度の変更は、事実上2019年以降のことだ。議会は、新憲法と現存する法律を調和させるために、これからの6か月の重要な時期に入ることになる)と報じました。

中東・カタールの『ALJAZEERA』放送は、”Turkey: Recep Tayyip Erdogan hails referendum victory – Constitutional changes transform Turkey from a parliamentary system to an executive presidency with more powers) ” (トルコ:レジェプ・タイップ・エルドアン、国民投票の勝利を歓迎―憲法改正は、トルコを議院内閣制からより多くの権限を持った大統領制に変える)という見出しで、”President Recep Tayyip Erdogan has welcomed the “Yes” vote in the referendum to amend Turkey’s constitution and grant the country’s presidential office now executive powers”(レジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、トルコの憲法を改正し、大統領府に新たな行政権を与えるための国民投票における賛成投票に歓迎の意を表わした)と報じました。

イギリスの『REUTERS』通信は、”Turkey’s Erdogan declares referendum victory, opponents plan challenge”(トルコのエルドアン大統領、国民投票で勝利宣言、反対派、挑戦を計画)という見出しで、”President Tayyip Erdogan declared victory in a referendum on Sunday to grant him sweeping powers in the biggest overhaul of modern Turkish politics, but opponents said the vote was marred by irregularities and they would challenge its result”(レジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、トルコの現代政治の最大の変革の中で、彼に全面的な権限を与える国民投票での勝利を宣言した。しかし、野党側は、その投票は、不正によって傷つけられているとして、その結果に挑戦すると述べた)と報じました。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、”Turkey referendum: Erdogan declares victory”(トルコの国民投票:エルドアン大統領、勝利宣言)という見出しで、”Turkish President Recep Tayyp Erdogan and the country’s prime minister have declared victory in a Sunday referendum designed to hand Erdogan sweeping powers”(トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領とトルコの首相は、エルドアン氏に全面的な権限を与えるための国民投票で勝利を宣言した)と報じました。






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883. 米ロ外相会談、シリア問題で対立ー2017.4.13 [国際ーアメリカ、ロシア、中東]


(a) 日本語のニュース

アメリカのティラーソン国務長官は、12日モスクワで、ロシアのラブロフ外相、続いてプーチン大統領と会談しましたが、シリア問題では意見は対立したままでしたが、冷戦後最悪といわれるほど悪化した米ロ関係については関係改善に取り組む必要性では一致しました。
ティラーソン国務長官は、アメリカがロシアが支援するシリアのアサド政権の軍事施設に対してミサイル攻撃を行った後初めてとなるロシア側とに会談に臨み、ラブロフ外相とはおよそ5時間、続いてプーチン大統領とはおよそ2時間会談しました。
このあと、ティラーソン国務長官とラブロフ外相は、共同記者会見を行い、アメリカ軍によるシリアのアサド政権の軍事施設へのミサイル攻撃について、ティラーソン長官は、「アサド政権が化学兵器を使用した根拠がある」と述べ、攻撃の正当性を改めて主張に対して、ラブロフ外相は、「確信に満ちた言葉ではなく、実際に存在する証拠を示してほしい」と述べ、OPCW=化学兵器禁止機関による中立的な立場で綿密な調査が不可欠だとの考えを強調しました。
また、冷戦後最悪と言われるほど悪化した米ロ関係について、ティラーソン長官は、「低い水準にある」との認識を示し、双方は、外交当局による作業グループを設置することを決め、関係改善に取り組む必要性で一致しました、

一方、国連安全保障理事会は、12日、シリア北西部イドリブ県での化学兵器の使用を非難し、シリアのアサド政権に全面的な調査受け入れを迫る決議案が採決にかけられましたが、アサド政権を支えるロシアが拒否権を行使したため否決されました。
議長をつとめるアメリカは、イギリス、フランスとともに化学兵器の使用を非難し、アサド政権に真相究明に向けた調査への協力を求める決議案を提出しました。
採決にかけられた結果、欧米諸国や日本など10か国が賛成する一方、中国など3か国が棄権、ロシアが拒否権を行使したため、否決されました。

アメリカのトランプ大統領は、12日ホワイトハウスで、NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長と会談した後、共同で記者会見に臨み、「アメリカやNATOとロシアの関係は、今は「史上最低かもしれない」と述べました。
トランプ大統領は、また、昨年の大統領選挙では、NATOは時代遅れだと非難していましたが、今回の記者会見では「時代遅れではない」と述べ、NATOへの関与を確約し、シリア情勢をめぐってロシアとの関係が緊張する中、NATOとの連携を強化する姿勢をみせました。

(b)ニュースの背景

・アメリカ、シリアにミサイル攻撃―2017.4.6

アメリカのトランプ大統領は、シリアのアサド政権軍が化学兵器を使って空爆を行い多数の死傷者を出したと断定し、その報復として、シリアの空軍基地を巡航ミサイルで攻撃したと発表しました。
アメリカがシリアのアサド政権に対して軍事攻撃を行ったのは、2011年シリアの内戦が始まって以来初めてのことです。
シリアでは、4日北西部イドリブ県の反政府勢力が支配する町で空爆があり、少なくとも72人が死亡し、多数のけが人がでたと伝えられ、住民の多くに呼吸困難やけいれんなどの症状がみられ、猛毒のサリンのような神経ガスや塩素ガスなどの化学兵器が使われた疑いが強まっています。
米中首脳会談のためフロリダ州に滞在中のトランプ大統領は、声明を発表し、「シリアの独裁者アサドが無実の市民に対して化学兵器を使って攻撃を行った。このとても残虐な攻撃でかわいい赤ちゃんたちも無慈悲に殺害された」と述べました。
そのうえで「シリアの空軍基地に対する軍事攻撃を指示した。この攻撃は、化学兵器の使用と拡散をやめさせるためアメリカの安全保障上、非常に重要な国益だ」と述べ、シリアへの攻撃に理解を求めました。

アメリカ国防総省によりますと、アメリカ軍は、地中海東部に展開する駆逐艦「ポーター」と「ロス」から巡航ミサイル「トマホーク」59発をシリア中部ホムス近郊のシュアイラート空軍基地の航空機や武器庫、防空施設、レーダーなどに向けて発射したということです。アメリカ情報当局の分析では、この基地には化学兵器が貯蔵され、この基地から飛び立った航空機が4日シリア北西部イドリブ県で化学兵器を使って攻撃したものとみられています。

(c)英語のニュース

The foreign ministers of the United States and Russia have held talks in Moscow. They failed to narrow their differences over the Syrian issue,
,but agreed on the necessity of improving the worsening bilateral relations
U.S. Secretary of State Rex Tillerson and Russian Foreign Minister Sergei Lavrov met on Wednesday for the first time since the United States conducted missile attacks on a military base of the Assad government in Syria following the chemical weapon attacks in Syria. Mr. Tillerson also met Russian President Vladimir Putin.
Later at a joint news conference, Mt. Tillerson referred to the U.S. missile attacks on a military base of the Assad government, and reiterated that the United States has grounds to believe that the Assad government used chemical weapons.
Mr. Lavrov said that Russia requests not confident words but actual evidence. He stressed that a detailed neutral probe by the Organization for the Prohibition of Chemical Weapons is indispensable.
Mr. Tillerson and Mr. Lavrov both said that bilateral relations are at a low level, but agreed to set up a working group of diplomats to improve bilateral ties.

Meanwhile, the United Nations Security Council has failed to adopt a draft resolution condemning the suspected use of chemical weapons in Syria and requesting the government of President Basher al-Assad to cooperate in probing the chemical attacks, as Russia vetoed it.
The United States, which chaired the meeting, submitted the draft resolution with Britain and France. 10 of the 15 members of the U.N. Security Council, including the United States and some European countries and Japan, voted in favor of the draft resolution. China and 2 other nations abstained from voting. Russia vetoed to block the adoption of the draft resolution.
Over the situation in Syria.

U.S. President Donald Trump says that relations between the United States and its NATO allies, and Russia have worsened and may be at an all-time low.
He was speaking at a joint news conference after talks with NATO Secretary General Jens Stoltenberg at the White House.
Mr. Trump said that he is hopeful that he can improve relations with Russia. The two countries are at odds.

(d)ニュースの比較研究

アメリカのティラーソン国務長官は、イタリアでG7=主要7か国の外相会議に出席した後モスクワを訪れ、ロシアのラブロフ外相とプーチン大統領と会談しました。この会談は、シリア情勢で緊張が高まっていた時だけに世界の注目を集めました。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、”Putin meets with Tillerson in Russia as Syria rift deepens” (シリアの亀裂が深まる中で、プーチン大統領、ティラーソン国務長官と会談)という見出しで、”US Secretary of State Rex Tillerson said Wednesday that relations with Moscow are at a low point after meetings in Russia that seemed to do little to bridge a deepening diplomatic divide over a chemical attack in Syria. Relations are “at a low point, there is a low level of trust between our two countries,” Tillersi\on said at a news conference with his Russian counterpart, Foreign Minister Sergey Lavrov”(アメリカのティラーソン国務長官は、ロシアでの会談の後、ロシアとの関係は、低い地点にあると述べた。それは、シリアでの化学兵器の攻撃をめぐって外交的な分裂が深まっているのをほとんど橋渡しできないように思われた。ティラーソン国務長官は、ロシアのラブロフ外相との記者会見で、米ロ関係は、低い地点にある、両国の間での信頼は低いレベルにあると述べた)

アメリカの『The New York Times』紙は、”Secretary of State Rex W. Tillerson met with President Vladimir V. Putin of Russia for nearly two hours Wednesday, but the two men appeared unable to agree on the facts involving the deadly chemical weapons assault on Syrian civilians or Russian interference in the American election – much less move toward an improvement in basic relations” (ティラーソン国務長官はロシアのプーチン大統領とおよそ2時間にわたって会談したが、シリアの市民への死者がでた化学兵器による襲撃やアメリカの選挙へのロシアの介入の関わる事実について合意に達することができなかったように見える。つまり基本的な米ロ関係の改善に向けてほとんど何もできなかったのだ)と報じました。

ロシアの『TASS』通信は、”Russian diplomat slams Washington’s use of force in Syria as challenge to global security – The Russian Foreign Ministry spokeswoman said the situation in Syria had aggravated sharply after the US missile strike overnight to April 7”(ロシアの外交官、アメリカのシリアにおける力の行使を世界の安全保障に対する挑戦だと非難  - ロシアの外務省の報道官、シリア情勢は、アメリカが4月7日まで夜を徹してミサイル攻撃を行った後で、急速に悪化した)という見出しで、“Washington’s use of force in Syria is a serious threat both to regional and international security, Russian Foreign Ministry spokeswomen Maria Zakharova said on Wednesday/
The Russian diplomat noted that the situation had aggravated sharply after the US missile strike overnight to April 7”(ロシア外務省のマリア・ザハロバ報道官は、アメリカのシリアにおける力の行使が、地域および国際的な安全保障に重要な脅威になったとし、シリア情勢は、アメリカの4月7日まで夜通しのミサイル攻撃の後、急速に悪化したと述べた)と報じました。

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882. 東芝、2度延期の決算報告書発表、監査法人は「意見不表明」-2017.4.11 [経済]

(a) 日本語のニュース

大手電機メーカーの東芝は、11日、2度延期していた2016年4月から12月までの連結決算を発表しました。東芝は、決算をチェックする監査法人との間で、経営破たんしたアメリカの原発子会社ウエスチングハウスの会計処理をめぐって対立して溝が埋まらず、監査の適正意見がない異例の決算となったうえに、監査法人は、アメリカの原発事業の巨額損失などを理由に、東芝の事業継続に「重要な疑義」があるとの注記をつけました。
2016年4月から12月の連結売上高は、前年同期比4%減の3兆8468億円で、最終損益は5325億円の赤字でした。株主から預かったお金である自己資本は、2256億円のマイナスと初の債務超過に陥りました。
東京証券取引所第一部に上場する大企業の決算には、適正意見が付くのが通例ですが、今回の東芝のように監査の意見不表明は、大手製造業では異例のことです。
この決算の発表があった11日は、国が延長を認めた期限にあたり、東芝は、ウエスチングハウスの問題で、不適切な圧力による不正な会計処理はなかったと結論づけるとともに、これ以上決算発表をおくらせることはできないとして、発表に踏み切ったものです。
東芝は、これによって決算の信頼性は揺らぎ、上場維持へ正念場を迎え、企業統治の抜本的な見直しを迫られる厳しい情勢になりました。

(b)ニュースの背景

経営再建中の東芝は、3月29日、アメリカの原子力子会社ウエスチングハウスがアメリカ連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻したと発表しました。
東芝は、その損失をかぶるため、2016年度の決算は、国内の製造業としては過去最大の1兆円を超える最終赤字に転落することになりました。
ウエスチングハウスは、設計などを手掛ける原発の世界シェアが20%を超える世界的な大手原発メーカーで、東芝が海外原発事業を推し進める狙いで2006年買収し、およそ5500億円を投じてきましたが、アメリカで手掛ける原発4基の建設で巨額の追加費用が発生し、経営に行き詰まり、ウエスチングハウスが、アメリカ連邦破産法11条の適用をニューヨーク州連邦破産裁判所に申請し、経営破綻したものです。
これによって、東芝は、海外の原発事業から撤退することになりました。

しかし、東芝では、ウエスチングハウスの会計処理をめぐって、「一部の経営者が損失を少なく見せるよう不適切な圧力をかけた」とする内部通報が寄せられ、東芝の監査委員会が外部の弁護士などと調査を行いました。
東芝の監査委員会は、その調査結果を11日に公表し、「特定の経営者数人による不適切なプレッシャーと見なされる言動が認められた」と報告しましたが、「ウエスチングハウスでの内部統制は有効に機能しており、会計処理に影響は与えなかった」として、不正な会計処理はなかったと結論づけました。
しかし、東芝の決算をチェックした監査法人は、この調査結果が終わっていないことを理由に、東芝が作成した決算書について、「修正が必要となるか否かについて、判断することができなかった」として、決算の内容を承認せず、結論を表明しない「意見不表明」としました。

(c) 英語のニュース

Japanese electrics maker Toshiba Corporation has released an earnings report without auditor approval after postponing the release twice.
This came on Tuesday – the deadline for submitting the report to the Finance Ministry.
Toshiba reported a net loss of 532.51 billion yen(54.8 billion dollars) for the April-to-December period of last year
The embattled Japanese conglomerate’s auditor did not sign off on the final figures, as the two sides were struggling to resolve disagreements over losses related to the company’s U.S. nuclear unit Westinghouse Electric Company, which filed for Chapter 11 bankruptcy protection last month.
Toshiba failed to obtain approval for the earnings report from the auditing firm. This placed the company at a greater risk of stock delisting.
The Tokyo Stock Exchange is to study whether it will maintain its listing of Toshiba shares.

(d)ニュースの比較研究

東芝が適正との監査意見が得られないまま決算報告を発表したニュースについては、多くの世界のメディアが報道しました。
代表的なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、”Toshiba warns it may not survive crisis”(東芝、危機から脱することができないかもしれないと警告)という見出しで、”Toshiba may not survive its deepening crisis. The Japanese conglomerate said Tuesday that there is “substantial doubt” about its ability to continue as a going concern after it reported huge losses. Toshiba has been hammered by the collapse of its American nuclear business, Westinghouse Electric, which filed for bankruptcy protection in the U.S. last month”(東芝は、深まりつつある危機から脱することができないかもしれない。この日本のコングロマリット(複合産業)-東芝―は、巨額の損失を報告した後、現行の企業として存続できるかについて“実質的な疑い”があると述べた。東芝は、先月アメリカで破産保護を申請したアメリカの原子力産業のウエスチングハウスの崩壊によって衝撃を受けた)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”Toshiba files unaudited results and says future is in doubt”(東芝、会計監査を受けない決算報告を提出、将来はどうなるかわからないと言明)という見出しで、”Toshiba has filed its delayed financial results, warning that the company’s survival is at risk. There are material events and conditions that raise substantial doubt about the company’s ability to continue as a going concern, the company said in a statement”(東芝は、遅延していた決算報告を提出し、会社の生き残りは危機的な状況にあると警告した。東芝は、声明の中で、会社が現行の企業として存続していくことができるかについては、実質的な疑いを引き起こす具体的な状況が存在すると述べた)と報じました。

中国の『Xinhua(新華社)』通信は、”Toshiba files twice-delayed earnings report without auditor endorsement”(東芝、監査法人のお墨付きなしで、2回にわたって遅らせた決算報告を提出)という見出しで、”Toshiba Corp. on Tuesday reported its twice-delayed earnings report for the nine months through December that were filed without the endorsement from its author”(東芝は、12月までの9か月間の決算報告書を2度にわたって発表が遅れていたが提出した。しかし、それは、監査法人のお墨付きではなかった)と報じました。

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881. 米空母、朝鮮半島近海へー2017.4.11 [国際ーアメリカ、アジア]


(a) 日本語のニュース

朝鮮半島をめぐって緊張が高まる中で、アメリカ海軍の原子力空母カール・ビンソンを中心とする艦隊が、すでにシンガポールを出港し、北上して朝鮮半島近海に向かっています。
空母カール・ビンソンは、先月中旬まで朝鮮半島周辺で米韓合同軍事演習に参加した後、この海域を離れて南下し、8日寄港先のシンガポールを出港してさらに南下し、オーストラリアに向かう予定でしたが、太平洋軍のハリス司令官の指示により、北へと進路を変え、朝鮮半島を臨む西太平洋に展開することになったということです。
アメリカ海軍によりますと、空母カール・ビンソンのほか、空母航空団や誘導ミサイル駆逐艦などが航行しており、アメリカ西海岸からも、誘導ミサイル駆逐艦2隻の水上戦闘群が西太平洋に向けて航行しており、合流するものとみられています。
また、アメリカ海軍の別の原子力空母ロナルド・レーガンが、母港横須賀基地に配備されており、2隻の空母が同時に極東アジアに配備されるのは、きわめて異例のことです。
今回のアメリカ海軍の動きは、弾道ミサイルの発射や新たな核実験の兆候ともとれる動きをみせる北朝鮮をけん制する狙いがあるものとみられています。
北朝鮮では、11日には、国会にあたる最高人民会議が首都ピョンヤンで開かれるほか、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の党第1書記就任5周年にもあたります。15日は、キム・イルソン国家主席生誕105周年にあたり、25日には、北朝鮮軍創建85周年で軍事パレードが予定されています。

一方、北朝鮮外務省は、11日国営メディアを通じて談話を発表し、「アメリカ軍が原子力空母を朝鮮半島の近海に派遣したことは、わが国に対するアメリカの侵略策動が実践段階に入ったことを示している」と強く非難しました。そして「アメリカは横暴な行為が招く破局的な結果の全責任を負うことになる」と威嚇しました。

(b) ニュースの背景

カール・ビンソン(USS Carl Vinson, CVN-70)は、アメリカ海軍の原子力航空母艦。ニミッツ級航空母艦の3番艦。艦名は、第2次世界大戦前後に海軍力増強につとめたカール・ビンソン下院議員に因んでつけられました。生存中の人名を付けた最初の空母。母港はカリフォルニア州コロナド。就役は1982年、全長333メートル、乗員は士官・兵員3200名、航空要員2480名。搭載機90機。

ロナルド・レーガン(USS Ronald Reagan,CVN-76)は、アメリカ海軍の原子力航空母艦、ニミッツ級航空母艦の9番艦。艦名は、第40第アメリカ大統領ロナルド・レーガンに因んでつけられました。現在は日本の神奈川県横須賀海軍施設を母港としています。就役は2003年、全長333メートル、乗員は士官・兵員3200名、航空要員2400名、搭載機90機。

(c) 英語のニュース

A U.S. Navy carrier strike group led by the aircraft carrier Carl Vinson is heading to the Korean Peninsula, following North Korea’s successive missile tests and amid signs that the North is preparing for a sixth nuclear test.
The move is apparently aimed at increasing the U.S. presence near the Korean Peninsula.
The carrier group was visiting Singapore after participating in the joint exercises between the United States and South Korea and had an earlier plan to make a port call in Australia. But the carrier group has been redirected on the order of Admiral Harry Harris, commander of the U.S. Pacific Command, to change course and head towards the Korean Peninsula.
Another U.S. aircraft carrier Ronald Reagan is reportedly ready to leave the home port of Yokosuka near Tokyo.
Meanwhile, North Korea has strongly condemned the United States for sending an aircraft carrier to an area of the western Pacific near the Korean Peninsula.
In a statement, the North Korean Foreign Ministry said that North Korea will stand up against interventionists and protect itself with mighty force. It warned that the United States will end up bearing all responsibility for the catastrophic results brought about by its autocratic action.

(d)ニュースの比較研究

アメリカの空母カール・ビンソンが予定を変更して朝鮮半島の近海に向かっているというニュースについては、アメリカのメディアを中心に報道していました。
アメリカの代表的なメディアの報道を紹介しましょう。

『CNN(=Cable News Network)』放送は、”US aircraft carrier-led strike group headed toward Korean Peninsula”(アメリカの空母に率いられた打撃群、朝鮮半島に向かう)という見出しで、”A US aircraft carrier-led strike group is headed toward the Western Pacific Ocean near the Korean Peninsula, a US defense official confirmed to CNN. The move of the Vinson strike group is in response to recent North Korean provocations, the official said”(アメリカ国防総省当局者がCNNに確認したところによると、アメリカの空母に率いられた打撃群は、朝鮮半島の近くの西太平洋に向かっている。このカール・ビンソン打撃群の動きは、北朝鮮の最近の挑発行為に対抗するためのものだ)と伝えました。

『USA TODAY』紙は、”As tensions rise, USS Carl Vinson heads to Korean Peninsula”(緊張が高まる中で、アメリカの空母カール・ビンソン朝鮮半島に向かう)という見出しで、”Amid rising tensions with North Korea, an aircraft carrier strike group led by the USS Carl Vinson was heading toward the Korean Peninsula. The aircraft carrier and its accompanying ships had been scheduled to leave from Singapore for port visits to Australia on Saturday, but Adm. Harry Harris, head of U.S. Pacific Command, ordered the strike group to head north toward Korean waters instead”(北朝鮮との緊張が高まる中で、アメリカの空母カール・ビンソンに率いられた打撃群は、朝鮮半島に向かっていた。その空母とそれに同行している艦船は、シンガポールを離れ、オーストラリアの港を訪れる予定だったが、アメリカ太平洋司令部のハリー・ハリス司令官は、その打撃群に行き先を変更して朝鮮水域に向かって北上するよう命じた)と伝えました。

『The New York Times』紙は、”U.S. Reroutes Warships Toward Korean Peninsula in Show of Force”(アメリカ、力を示すため、軍艦を朝鮮半島に向かわせる)という見出しで、”The commander of American forces in the Pacific has ordered an aircraft carrier and several other warships toward the Korean Peninsula in a show of force by the Trump administration just days after North Korea tested another intermediate-range missile”(アメリカの太平洋軍司令官は、空母とその他の数隻の軍艦に対して朝鮮半島に向かうよう命じた。これは、トランプ政権が、北朝鮮が中距離ミサイルをテストした後、力を見せるためなのだ)と伝えました。








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880. アメリカのシリアに対するミサイル攻撃に関する外国の報道のまとめー2017.4.10 [国際ーアメリカ、中東]

(このテキストは、4月15日の土曜講座で使用します。)


880. アメリカのシリアに対するミサイル攻撃に関する外国の報道まとめ―2017.4.10


アメリカのトランプ大統領は、4月6日、シリアのアサド政権軍が化学兵器を使って空爆を行い多数の死傷者を出したと断定し、その報復として、シリアの空軍基地を巡航ミサイルで攻撃したと発表しました。
アメリカがシリアのアサド政権に対して軍事攻撃を行ったのは、2011年シリアの内戦が始まって以来初めてのことです。

このニュースに関する外国のメディアの報道を紹介しましょう。アメリカ、イギリス、シリア、ロシア、中国、北朝鮮などの放送、新聞、通信社の報道です。

アメリカの『CNN(=Cable News Network)』放送は、”Trump launches military strike against Syria”(トランプ政権、シリアに対する軍事攻撃開始)という見出しで、”The United States launched a military strike Thursday on a Syrian government airbase in response to a chemical weapons attack that killed dozens of civilians earlier the week”(アメリカは、先週何十人もの市民を殺害した化学兵器による攻撃に応えてシリア政府軍の空軍基地に対する軍事攻撃を開始した)と報じました。

アメリカの『FOX』放送は、”Syria missile attack: Satellite photos show majot damage to airfields”(シリアへのミサイル攻撃:衛星写真、空港への大きな被害を示す)という見出しで、”Satellite images released Friday of the Syrian airbase that was pounded with 59 U.S. Tomahawk missiles show large-scale destruction to airfields, planes and fueling facilities allegedly used by the Assad regime to mount chemical weapons attacks”(アメリカのトマホーク・ミサイル59発が落とされたシリアの空港の衛星写真は、化学兵器の攻撃をしかけるためにアサド政権によって使われたといわれる空港、航空機、燃料施設に対する大規模な破壊を示している)と報じました。

アメリカの『The Wall Street Journal』紙は、”U.S. Launches Cruise Missiles at Syrian Air Base in Response to Chemical Attack – Strikes represent first time a U.S. military operation deliberately targeted regime of President Basha al-Assad – “(アメリカ、化学兵器の攻撃に対抗してシリアの空軍基地 に巡航ミサイル発射―この攻撃は、初めてアメリカの軍事作戦が、アサド大統領の体制を慎重に狙ったものだ)という見出しで、”The U.S. military launched nearly 60 Tomahawk cruise missiles against a Syrian air base Friday, responding to mounting calls for a display of force in the wake of this week’s suspected chemical weapons attack in Syria”(アメリカ軍は、シリアの空軍基地に対して60近くのトマホーク巡航ミサイルを発射した。これは、今週初めのシリアにおける化学兵器の攻撃に引き続いて、力の誇示を求める声が高まってきたのに応えたものだった)と報じました。

アメリカの『The New York Times』紙は、”Syria Strike Puts U.S. Relationship With Russia at Risk”(シリアへの攻撃、アメリカのロシアとの関係を危険な状態に置いている)という見出しで、”The American military strike against Syria threatened Russian-American relations on Friday as the Kremlin denounced President Trump’s use of force and the Russian military announced that it was suspending an agreement to share information about air operations over the country, devised to avoid accidental conflict”(アメリカ軍のシリアに対する攻撃は、ロシアとアメリカの関係を脅かした。それは、クレムリンがトランプ大統領の力の行使を非難し、ロシア軍が、偶発的な争いを避けるために工夫されたシリア上空の航空作戦に関する情報を分かち合う協定を一時停止すると発表したからだと報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”US launches missile attacks on Syria”(アメリカ、シリアへのミサイル攻撃開始)という見出しで、”US forces have launched missile attacks on Syria, a country in the Middle East. The attacks were aimed at forces that support Syria’s President Assad. The American President Donald Trump ordered the attacks because he believes that President Assad was behind a chemical weapons attack in Syria last week”(アメリカ軍は、中東の一国であるシリアへのミサイル攻撃を開始した。この攻撃は、シリアのアサド大統領を支持する勢力に対するものである。アメリカのトランプ大統領は、アサド大統領が先週シリアでの化学兵器の攻撃の背後にあると信じているので、このミサイル攻撃を命令した)と報じました。

シリアの『Syrian Arab News Agency』国営シリア・アラブ通信(SANA)は、
“NINE CIVILIANS KILLED IN US MISSILE ATTACK IN HOMS
(ホムスへのアメリカのミサイル攻撃で9人の民間人死亡)という見出しで、
“Nine civilians, including four children, were killed in the US missile attack on a military airbase and the nearby villages in the southeastern countryside of Homs province. Civil sources told SANA that two missiles used in the US attack that hit al-Shairat airbase in the Central Region killed five civilians, including three children, in addition to causing huge material damage to the houses”(シリア・ホムス県南東地方の軍事基地とその近くの村にアメリカがミサイル攻撃を行い、子供4人を含む民間人9人が殺害された。当局がSANA(国営シリア・アラブ通信)に語ったところによると、中部地方のアル・シュアイラート空軍基地へのアメリカの襲撃に使われた2発のミサイルは、3人の子どもを含む5人の民間人が殺害され、家々に大きな被害をもたらした)と報じました。

ロシアの『TASS』通信は、”Zakharova: US strike on Syria unrelated to attempts to learn truth about chemical weapons”(ザハロバ(外務省報道官):アメリカのシリアへの攻撃は、化学兵器に関する真実を知ろうとする試みとは無関係だと言明)という見出しで、”The U.S. strikes on the Syrian aerodrome, into which it had planned an investigation, is not related to attempts to lean about chemical weapons in Syria, spokeswoman of the Russian Foreign Ministry Maria Zakharova told the Rossiya television channel on Saturday. “Only recently the Americans and their western allies demanded inspectors sent, some investigation begun into the aircraft which delivered strikes on the militants’ depots and production facilities” she said”(ロシア外務省のマリア・ザハロバ報道官は、ロシア・テレビ・チャンネルに「アメリカのシリアの空港を攻撃したが、これは、シリアの化学兵器に関して知ろうとする試みとは関係がない。つい最近アメリカとその西側の同盟国が、査察官を送るように要求し、過激派の倉庫と生産施設に爆撃を行った航空機の調査を始めたばかりだった」と述べた)と伝えました。

中国の『Xinhua』通信は、”Political solution only way out for Syrian issue: Chinese envoy”(中国大使言明:シリア問題は政治決着が唯一の解決策)という見出しで、”A Chinese envoy said here(UNITED NATIONS) on Friday that political solution is the only way out for the Syrian issue and military means will no work. Liu Jieyi, China’s permanent representative to the UN, made the remarks at a Security Council emergency meeting that convened after the United States launched missile attacks on a Syrian military airfield on Thursday”(国連で、中国の大使は、シリア問題の唯一の解決方法は、政治的な解決で、軍事的方法は役に立たないと述べた。中国の劉結一国連大使は、アメリカがシリアの軍事空港にミサイル攻撃を行った後召集された国連安全保障理事会の緊急会合で、この見解を表明した)と』報じました。

北朝鮮の『Korean Central News Agency』通信は、”U.S. Missile Attack on Syria Unpardonable:Spokesman of DPRK FM“(朝鮮民主主義人民共和国の外務省報道官言明:アメリカのシリアへのミサイル攻撃は許すことはできない)という見出しで、”The Trump administration on April 7 mounted a massive missile attack on an air force base of the Syrian government army under the pretext that it killed civilians by using chemical weapons. A spokesman of the DPRK Foreign Ministry in a statement issued on April 8 termed this absolutely unpardonable as it was an undisguised act of aggression against a sovereign state”(トランプ政権は、4月7日にシリア政府が化学兵器を使って一般市民を殺害したという口実で、シリア政府軍の空軍基地に大量のミサイルによる攻撃を行った。朝鮮民主主義人民共和国の外務省報道官は、4月8日の声明の中で、アメリカのシリアへのミサイル攻撃は、主権国家に対する明白な侵略行為で、絶対に許すことはできないと述べた)と報じました。

中東・カタールの『Al Jazeera』放送は、”US launches cruise missiles on Syrian airbase – Syrian army denounces ‘aggression’ after US launches nearly 60missile strikes following suspected gas attack in Idlib”(アメリカ、シリアの空軍基地を巡航ミサイルで攻撃開始―アメリカがイドリブ県へ毒ガス攻撃を行なったとみられる後で60発近くのミサイル攻撃を行ったが、シリア軍は、これは、’侵略‘だと非難した)という見出しで、” The United States on Friday fired dozens of cruise missiles at a government-controlled airbase in Syria, in retaliation for a suspected chemical weapons attack on a rebel-held town that killed scores of civilians”(アメリカは、シリアの反政府勢力が占拠している町への化学兵器による攻撃とみられることへの報復として、シリアの政府が支配している空軍基地に何十もの巡航ミサイルを発射した)と報じました。

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879. 大阪高裁、高浜原発3・4号機の再稼働認めるー2017.3.28 [社会ー原発]


(a) 日本語のニュース

大阪高等裁判所は、28日、福井県にある関西電力高浜原子力発電所の3号機と4号機について、再稼働を認める判断を下しました。
これは、大津地方裁判所が昨年3月に出した運転差し止めの仮処分決定を取り消し、運転再開を求めて保全抗告していた関西電力の訴えを認めたものです。
大津地裁は、滋賀県の住民の申し立てを認め、「福島の原発事故を踏まえた事故対策などに危惧すべき点があるのに、関西電力は安全性の確保について説明を尽くしていない」として、稼働中の原発としては初めて運転停止を命じる仮処分の決定を出しました。
関西電力は、異議を申し立てましたが認められず、決定を不服として大阪高裁に抗告していました。
大阪高裁は、28日の決定で、国が福島の原発事故後に定めた新しい規制基準について、「現在の科学技術水準を踏まえた合理的なもの」と評価し、「関西電力は、新しい規制基準を踏まえて、想定される最大規模の地震や津波の対策をとり、安全性の根拠を示している」と指摘し、運転停止を命じた仮処分の決定を取り消し、再稼働を認めました。

(b) ニュースの背景

2011年の東日本大震災に伴う東京電力の福島第一原子力発電所の事故は、広範囲にわたる放射能汚染を生じさせました。この事故によって、エネルギー政策の見直しや環境問題が浮き彫りになりました。
政府は、原子力の規制を一元的に担当する組織として、2012年9月に原子力規制委員会を発足させました。原発の再稼働の条件となる原発の新しい規制基準は、2013年7月に施行されました。
新しい規制基準は、次の3つの内容からなっています。
① 大きく想定を上回る自然災害やテロ攻撃などに備えた重大事故対策(重大事故とは、巨大な自然災害やテロなどで原子炉がコントロールできなくなるような深刻な事態に陥ること)
② 活断層調査の強化や津波防護柵を定めた設計基準である耐震・耐津波性能
③ 既存設備の安全対策を強化する設計基準である自然現象・火災に対する考慮など

現在、全国の原子力発電所のうち、鹿児島県にある川内原発の2基と愛媛県にある伊方原発の1基の合わせて3基が運転中で、これに加えて高浜原発の2基が再稼働する見通しになりました。
廃炉が決まった原発を除くと、全国には16原発42基があり、建設中の青森県の大間原発を含め、これまで26基で再稼働の前提となる審査の申請が出されました。
このうち、合格にあたる新しい規制基準に適合していると認められた原発は、高浜原発3号機と4号機、川内原発1号機と2号機、伊方原発3号機、佐賀県にある玄海原発3号機と4号機、それに原則40年に制限された運転期間の延長が認められた高浜原発の1号機と2号機、福井県にある美浜原発3号機です。
これらのうち、川内原発1号機と2号機と伊方原発3号機の合わせて3基がすでに再稼働しています。
今後、高浜原発3号機と4号機が起動すれば、全国で3原発5基が運転することになります。

(c) 英語のニュース

A Japanese high court has evoked a lower court order to halt two nuclear reactors in central Japan.
The No.3 and No.4 reactors at the Takahama plant in Fukui Prefecture on the Sea of Japan coast have been offline since the Otsu district court issued the order in March last year.
The Otsu district court upheld claims filed by residents of Fukui’s neighboring prefecture of Shiga that Kansai Electric Power Company had failed to fully explain the plant’s safety. The decision marked the first-ever judicial decision in Japan that has suspended an operating nuclear reactor.
Kansai Electric Power Company appealed to the Osaka High Court, claiming that it has put in place tougher safety measures that required under new regulations introduced after the 2011 accident at the Fukushima Daiichi nuclear plant.
The Osaka High Court upheld the company’s claim and allowed the two nuclear reactors to go back online.

(d) ニュースの比較研究

大阪高裁、高浜原発の再稼働認めるのニュースについては、外国のメディアは、今のところ伝えていません。



















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878. 国連で核兵器禁止条約の制定交渉開始、日本は不参加ー2017.3.28 [政治ー外交、国際ー国連]


(a) 日本語のニュース

核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約の初めての制定を目指す交渉が、27日、ニューヨークの国連本部で始まりました。
この交渉には、オーストリアやメキシコなどの非核保有国が中心となって、100か国以上が参加しており、核兵器を非人道的なものとして、その使用や保有を法的に禁止する条約を制定しようというものですが、アメリカ、ロシアなどの核保有国は法的な禁止には強く反発して参加せず、日本も、オーストラリアや韓国などとともに、アメリカの「核の傘」に依存していることから交渉には反対の立場をとっています。
交渉に参加しないアメリカのヘイリー国連大使は、会場の外で、イギリスやフランス、韓国など20あまりの国の国連大使とともに記者会見を行い、「現実的になるべきだ。北朝鮮がこの条約に同意すると信じる人がいるだろうか」と述べ、北朝鮮が核・ミサイル開発を推し進める中で、核兵器を放棄することはできないという姿勢を強調しました。そして、「議場にいる人たちは、われわれが直面している安全保障上の脅威を本当に理解しているのか」と述べ、交渉に参加している各国を批判しました。
日本の高見沢軍縮大使は、会場で演説を行ったものの、核軍縮は核兵器の保有国と非保有国が協力して行うことが不可欠だとしたうえで、「建設的で誠実な形で交渉に参加することは困難だと言わざるをえない」と述べ、このあとの交渉には参加しないことを明らかにしました。
交渉は、2段階になっており、31日までの前半では、核兵器の使用や保有、開発、配備など具体的な禁止事項などについて議論することになっています。
これを踏まえて、5月頃最初の条約案を提示し、6月15日から7月7日までの後半の交渉で条約を作り上げる見通しです。

(b) ニュースの背景

日本は、これまで唯一の被爆国として核兵器に反対の立場をとってきましたが、昨年この核兵器禁止条約制定交渉の提案が出てきた時から、日本は、アメリカの核の傘の下にあるという事情があり、交渉には核保有国が参加しないから反対だという立場をとるようになり、昨年12月決議案が採択された時には、交渉には反対だが参加して日本の立場を主張するといっていました。しかし、今回交渉開始にあったては、そうした立場をとる国がないうえに、1月に発足したアメリカのトランプ政権の反対の立場を考慮して、交渉にも参加しないことを決めたということです。

・昨年12月国連総会における核兵器禁止条約制定交渉に関する決議案(オーストリア、メキシコなどの提案)の採決結果
賛成―113か国(メキシコ、オーストリア、南アフリカなど)
反対―35か国(アメリカ、ロシア、日本、韓国など)
棄権―13か国(中国、インドなど)

・昨年12月国連総会における核兵器廃絶決議案(日本、アメリカなどの提案)の採択結果
賛成―167か国(日本、アメリカなど)
反対―4か国(中国、北朝鮮、ロシア、シリア)
棄権―16か国(フランス、インド、イラン、イスラエル、パキスタン、韓国、イギリスなど)

(c) 英語のニュース

Negotiations on a treaty to legally ban nuclear weapons have begun at the United Nations headquarters in New York without the participation of 5 major nuclear powers and Japan.、
Delegates from more than 100 countries are taking part in the negotiations, but those from the United States and 4 other major nuclear powers as well as Japan are not participating.
Outside the conference hall, U.S. Ambassador to the United Nations Nikki Haley along with ambassadors of about 20 countries spoke against the negotiations.
Ms Haley questioned if those at the conference really understand the security threats facing the world  She said “We have to be realistic”
Japan’s ambassador in charge of disarmament, Mr,Nobushige Takamizawa, said that nuclear powers and non-nuclear countries should cooperate on disarmament. He said that it’s difficult for Japan to participate in the negotiations in a constructive and sincere manner.
Mr. Takamizawa said that Japan will not join the negotiations.


(d)ニュースの比較研究
.
国連における核兵器禁止条約制定交渉開始のニュースについては、日本のメディアは、交渉に日本参加せずという形で報道し、外国のメディア、特にアメリカ、イギリス、ロシアのメディアは、交渉が核保有国の参加なしで行われている点を中心に伝えています。
主なメディアの報道を紹介しましょう。

アメリカの『The New York Times』紙は、”United States and Allies Protest U.N. Talks to Ban Nuclear Weapons”(アメリカと同盟国、国連の核兵器禁止交渉に抗議)という見出しで、”Saying the time was not right to outlaw nuclear arms, the United States led a group of dozens of United Nations members on Monday that boycotted talks at the global organization for a treaty that would ban the weapons”(今は核兵器を法的に禁止するような時ではないとして、アメリカは、国連加盟国20数か国のグループの先頭に立って、核兵器禁止条約のための国連における交渉をボイコットした)と報じました。

イギリスの『BBC(=British Broadcasting Corporation)』放送は、”World nuclear ban ‘not realistic’, says US ambassador to UN”(アメリカの国連大使、世界の核兵器禁止は’現実的ではないと言明)という見出しで、”A worldwide nuclear ban is simply not “realistic”, the US ambassador to the UN, as nearly 40 countries stayed away from talks on the subject”(アメリカの国連大使は、世界規模の核兵器禁止は、ただ単に’現実的“ではないと言明した。この発言は、この問題の交渉におよそ40か国が参加していない中で行われた)と報じました。

ロシアの『TASS』通信は、”UN talks on banning nukes kick off without Russia, US - The decision on drafting the convention was made by the UN General Assembly last December -”(国連の核兵器禁止に関する交渉、ロシアやアメリカの参加なしで開始 - 条約制定の決定は、昨年12月の国連総会でなされた)という見出しで、”The inter-governmental negotiations on hammering out a convention on the prohibition and total elimination of nuclear weapons are getting underway at the UN headquarters in New York on Monday.・・・Nuclear powers, including Russia and the US have initially been opposed to the idea of passing a convention banning nuclear weapons”(核兵器の禁止と全廃に関する条約を制定するための政府間交渉が、ニューヨークの国連本部で始まった。ロシア、アメリカなどの核保有国は、もともと核兵器禁止条約を承認する考えに反対してきた)と報じました。

中東・カタールの『ALJAZEERA』放送は、”US leads boycott of UN talks on nuclear weapons ban – UN General Assembly begins negotiations on prohibiting weapons, but without any nuclear-capable states in attendance”(アメリカ、国連の核兵器禁止に関する交渉ボイコットを先導 ― 国連総会、核保有国の出席なしに、核兵器禁止に関する交渉を開始)という見出しで、”The United States, Britain and France are among almost 40 countries boycotting talks on a nuclear weapons ban treaty at the United Nations, according to Nikki Haley, the US ambassador to the world body”(アメリカのヘイリー国連大使によれば、国連における核兵器禁止条約に関する交渉をボイコットしているのは、アメリカ、イギリス、フランスなどおよそ40か国だ)と報じました。

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